私には最近、電動車椅子ユーザーの友人が2人できました。3人で通話を繋いでゲームしたり、お互いの障害について語り合ったりする仲です。「これって人工呼吸器?」「痰の吸入って何をするの?」「お風呂ってどうやって入るの?」と私が聞くと、とても親切に教えてくれます。身体の状態は私とは違うけど、ただ、話していて楽しい友人です。
今回、私たちが訪れたのは、ノーサイド横沼という施設でした。そこを利用している早川ひかるさんが、SDGzooの冊子に載るシマウマの絵を描かれていて、こども編集部のみんなで取材をすることになったのです。

そこは明るくて温かい施設でした。2階部分は吹き抜けになっていて、天井が高いのが印象に残っています。スタッフの方もとてもフレンドリーで、すぐに打ち解けることができました。私なら、絵を描いていないでお喋りばかりしてしまいそうだな、と思いました。

建物に入って、まず私たちがしたことは、撮影のために、壁にひかるさんの絵を掛け換える作業です。こども編集部が誇る撮影班の高校生が、定規とネジと電動ドライバーで、壁に絵を掛けていきました。周りを見渡してみると、机などはそういった手作りのものもあって、スタッフさんや利用者さんが過ごしている毎日を想像することができました。

取材は握手から始まりました。ひかるさんは、たくさん考えながら、ゆっくりと質問に答えてくれました。そのときの取材の内容は、編集部メンバーが書いてくれると思うので、私は書きません。ただ、私は、スタッフさんのお話で印象に残ったことを書いていこうと思います。

ひかるさんは電動車椅子に乗って生活しています。駅の切符売場に手が届かないこと、駅員さんの呼び出しボタンを押せないことなど、ひかるさんが話してくれた困りごとは、どれも自分の足で歩いている私には想像することができないところにありました。

ひかるさんは長年、自分で助けを求めることができなかったそうです。それでも、スタッフの方と練習して、誰にでも助けを求めることができるようになりました。だから、今の生活は、「あまり困っていない」そうです。周りの人に頼ることができて、誰かが助けてくれたら、電動車いすに乗って生活していても、あまり困ることはない。だから、最終的には、町の人が、ひかるさんの生活について少しずつ助けてくれる社会になれば、福祉の仕事はいらなくなる。と、スタッフさんは言われていました。私は、お互いが歩み寄ることで、そんな社会が出来上がるのではないかなと思いました。「助けてもらって当たり前」とふんぞり返るのではなく、「助けてください」と言うこと。「理解できない」と拒絶するのではなく、目の前の人と共に暮らそうとすること。そういった心がけだけで、多くの人が暮らしやすい社会になるのではないかと思います。
私には、電動車いすユーザーの友人2人と一緒に旅行をしてみたいという夢があります。実は、電動車いすは、徒歩より速いスピードまで上げることができますが、私は早歩きをして、友人には少し遅く設定してもらって、隣に並んで旅行先を歩いてみたいです。


こども編集部とは?
神戸・垂水を拠点に、取材や編集などの「メディアづくり」を通じて人との交流や自分の「好きなこと」探しを楽しむ団体。
おもに小学5年生から中学3年生の子どもたちが「大人サポーター」とともに、企業や自治体などからの依頼を受けて情報を発信しています。
ノーサイド横沼とは?
ノーサイド横沼は、さまざまな障がいのある方が「やりたい事」「自分の気持ち」「夢」という想いを形にするためにアート活動を行い、そのできたツール(作品)を使い沢山の人と関わる事ができる環境を作っています。また、「障がいのある人、ない人」が共に協力し、活躍していける場を創っていける施設を目指しています。




